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2024年7月よりBC州の賃貸法が一部改訂されましたのでご注意ください。

BC賃貸法の改定 (Bill 14.)

2024年7月18日以降、住宅賃貸法改正法(Bill14)により、住宅賃貸法(Residential Tenancy Act)、及び関連した規制に重要な変更が施行されました。この改正法案は大家やディビロッパーによる不当な立ち退き要求を防止するのが目的で、悪意ある立ち退きからテナントを保護するために導入されました。現行法において一定の要件を満たす場合、大家側からの賃貸契約解除が可能ですが、州政府は悪意ある立ち退きが横行しており、BC州の住宅問題となっていると強調しています。改正法案では立ち退きのプロセスに対し大家側の責任と透明性を高め、テナントの保護をさらに強化するために幾つか措置を導入しています。

①立ち退き要求の通知作成の専門ウェブサイト

今までも所定のフォームにて契約解除通知がなされていましが、7月18日以降は大家自身、もしくは物件管理者(ケアーテイカー)が部屋を使用す目的で賃貸契約を解除する場合、専用のウェブサイトにて通知を作成する事が義務付けられました。これにより監督機関であるResidential Tenancy Branch がウェブの通知作成記録を基にコンプライアンス監査をする能力を持つようになります。また立ち退き要求に関するデータ収集にも役立つと考えられています。

②通知期間の延長

2024年7月18日以降、個人的また管理者(ケアーテイカー)の使用理由でテナントを立ち退かせる為の通知が今までの2カ月から4ヶ月に延長されました。物件の売買によって買い手自身が入居する場合には3か月通知となります。いずれの場合にも通達時に物件を所有しているオーナーが家賃1カ月分を補償としてテナントへ支払います。家賃の不払いなど、その他の理由による立ち退き要求は現行通りとなります。通知を受けたテナントが不服申し立てができる期限も15日から30日へ延長されました。

③居住期間の延長

テナント契約を解除して物件に入居した人は、今までの6ヶ月間から最低12カ月間は物件に居住する事が義務図けられました。解約通知作成の際には大家の身分証明をはじめ、実際に入居する個人の情報も明記され、テナント側に開示されますので、今までより更に厳格化されます。

④罰則金

これら大家側の義務、開示に虚偽があり、不当な追い出し、契約解除と判断された場合、大家側はテナントへ家賃の12カ月分を賠償金として支払う責任があります。

近年急騰した賃貸料は昨年よりやや下降していますが、ローンや管理費、税金、保険など大家側の維持費が高騰しているのも事実です。モーゲージの更新によって大幅な赤字収支に陥り、物件を売却せざるを得ない大家も増加しています。残念ならが当面この住宅難問題は解決しそうにありません。

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